週刊現代の放射能・ホットスポット(東京、千葉、那須)報道は本当か?
週刊現代7月30日号の巻頭カラー特集。1枚目の写真でいきなりガイガーカウンター・SOEKSに14.62の数字が表示されています。栃木・那須が放射能ホットスポットであることに疑いの余地はありません。しかし、14.62というのは本当なのでしょうか?
年間に換算すると128ミリシーベルト。恐るべき数字です。
【ガイガーカウンター、SOEKSは地表の測定が苦手】
放射線を計測している放射能測定器はSOEKS−01Mと考えられます。実はSOEKSは、地表で誤作動を起こしやすい機種として知られています。ベータ線(β線)を誤って拾って計測し、実際の数倍の表示をしてしまうことがあるのです。誤作動の原理は次のHPを参考にしてください。
もしSOEKSを使って、ある程度正確な地表の測定を行いたいなら、アルミ板によるベータ線の遮蔽をすることが必要なようです。あるブログの管理人さんがこのことに気づき、週刊現代編集部に電話を入れた、という記述が次のブログにあります。
(参考)
・SOEKS-01Mのベータ線遮蔽について:ガイガーカウンター情報 | 真宗大谷派 常福寺
私自身もネット上で情報収集してみましたが、どうやら上記ブログの管理人さんの主張が正しいような気がします。NAVERまとめの記事を読んでみても、SOEKSの地表計測では、アルミ板遮蔽を行うこと、とされています。
・比較的低価格なガイガーカウンター『SOEKS-01M』の機能、評価及び使用方法まとめ - NAVER まとめ
【週刊現代は測定のやり直しを】
・千葉県流山市おおたかの森駅 3.20
・栃木県日光市丸山公園 5.09
・東京都中央区銀座 0.34
※地表の数値。単位はマイクロシーベルト。
いずれも、本当であればたいへんな計測値です。とくに那須、流山、日光の測定地点は、行政が速やかに封鎖か除染のいずれかを実施しなくてはならないのではないでしょうか。
週刊現代は、国内で、もっとも影響力のあるメディアのひとつ。放射能ホットスポットという言葉が流行したのも週刊現代が一役買っています。そして、高い放射線量は、週刊現代では多くが地表で計測されてきました。
地表の計測を行うのに、地表の測定が苦手な放射線量測定器を選んで行うのは、影響力のあるメディアとしては残念なことだと思います。可能であれば、terra mks-05やPA-1000以上のスペックの機種で地表の計測のし直しはできないものでしょうか?
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・[http://d.hatena.ne.jp/rakkochan/20110327/p1:title=本当の放射能汚染範囲は半径50キロ以上【福島原発、地図】]