ICRPとECRRとは(20ミリシーベルトの年間放射線量・放射能は安全?)

【1年間の放射能汚染は20ミリシーベルトやむなし?】

文部科学省は小中学校の校庭等で年間20ミリシーベルト(mSv)の被曝なら問題ないという路線です。これに対して疑問の声があがっています。
文科省が根拠にしているのはICRP(国際放射線防護委員会)の声明。しかし、この団体の言っていることはどの程度根拠のあるものなのでしょうか。


国際放射線防護委員会(ICRP)は、原発事故などが起きた後に周辺に住む人の年間被曝(ひばく)限度量は、(中略)1〜20ミリシーベルトの範囲が妥当とする声明を発表した。 (中略)

CRPは専門家の立場から、放射線防護に関する勧告を行う組織。声明は、(2011年3月)21日付で発表された。

asahi.com朝日新聞社):被曝限度量の緩和提案 国際放射線防護委、移住回避促す - 社会より。


【ICRPは信頼できるのか?】

週刊現代2011年4月23日号によれば、ICRPはがん発症率の評価を極端に少なく見積もっているというのです。ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)は、1945年から核実験や原発からの放射線で6500万人が、がんなどで死亡したと推定。しかし、ICRP基準はといえば、117万人しか数に入れていないと報道しています。ICRPは内部被ばくを無視して実態を過小評価している疑いがあると述べられています。(p.39)


【本来は年間1ミリシーベルト

本来の年間放射線量の許容限度は1ミリシーベルト
1.3ミリシーベルトを超えるようなら放射線管理区域として、病院のレントゲンン室のように表示をしなくてはいけないと法律で決まっています。

武田邦彦 (中部大学): 規制値の再整理

1年1ミリシーベルトは専門家が検討に検討を重ねた結果決められた基準です。ECRRなどは0.1ミリシーベルトにすべきと主張しています。
日本人に放射能への耐性があるわけではありません。なのに年間20ミシリーベルトまでは安全だというのは何を根拠に言っているのでしょうか。


【20ミシリーベルトを浴び続ければ5人に1人がガンに】

もし20ミリシーベルトを100年間浴び続けたと仮定するなら、5人に1人がガンになると京都大学の小出教授はコメントしています。

20ミリシーベルトの意味 小出裕章 « 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ

福島第一原発事故の起こった直後は「年間20ミシリーベルトなら安全」「100ミシリーベルトでも問題なし」というコメントがメディアを通じて広く出回りました。私自身、うかつにもそれを信じ込んでしまいました。しかし、よくよく調べてみたら、かなり高い数値であることに気が付きました。

なぜ「20ミリシーベルトくらいなら安全」という話になってしまったのか、検証が必要なように思います。