脱原発は可能か?(代替エネルギー:風力、太陽光発電。バイオマスetc)

東日本大震災の起こった3月11日は、再生可能なエネルギー開発に向けて人類が舵を切る大きなきっかけになる可能性があります。ドイツでは原子力発電推進派のメルケル首相が選挙に破れました。そして、日本でもデモが実施されています。

また、ソフトバンク孫正義社長は脱・原発のため「自然エネルギー財団」を設立すると発表をしました。

ソフトバンクの孫社長、脱・原発のため「自然エネルギー財団」を設立へ - IBTimes:世界の最新ビジネスニュース

さすが孫さん、行動が速いです。
「東日本ソーラーベルト構想」とは、東日本大震災津波により潮をかぶった農地を、太陽光発電などを行う「ソーラーベルト」として利用するアイデアです。


太陽光発電が有望】

現在考えられている中で現実的なのは、風力と太陽光発電です。日本共産党によれば、太陽光発電の場合、「国内の在日米軍基地程度の面積」(1000平方キロメートル)で、年間1000億キロワット時の電力が生まれるとされています。日本全国で消費している電力が9000億キロワット。これで9分の1の電力が生み出せることになります。
在日米軍の敷地と同面積」というのがいかにも共産党らしいですね。

太陽光発電が脱原発の一番の担い手になる日本共産党・吉井英勝衆院議員に聞く(下) (2/2) : J-CASTニュース


風力発電で東北の電力はOK】

環境省は(2011年4月)21日、国内で自然エネルギーを導入した場合にどの程度の発電量が見込めるか、試算した結果を発表した。風力発電を普及できる余地が最も大きく、低い稼働率を考慮しても、最大で原発40基分の発電量が見込める結果となった。風の強い東北地方では、原発3〜11基分が風力でまかなえる計算だ。

asahi.com朝日新聞社):風力発電原発40基分の発電可能 環境省試算 - 社会


【気になる経済性】

再生可能エネルギーを検討する際にもっとも気になるのがコストです。費用面から考えると、風力が効率的です。ただ、太陽光発電も将来的にはコストが下がっていくことが予測されています。ですので、2030年には全エネルギーの25%を再生可能エネルギーでまかなうことが可能であると見込まれています。

ちなみに2001年の数字を挙げると、1キロワット時(kWh)あたりのコストは、石炭4¢(セント)、水力2-10 ¢/kWh、風力4-8 ¢/kWh、太陽熱12-34 ¢/kWh、太陽光25-160 ¢/kWhです。

(参考)
再生可能エネルギー - Wikipedia


【組み合わせれば代替可能】

他にもバイオエタノールなどの新エネルギーがあります(バイオマス・エネルギー3-12 ¢/kWh)。ですので、単独では難しくても、時間をかけて組み合わせで勝負するなら、脱原子力エネルギーは可能なように思います。

福島第一原子力発電所の事故は、失うものがあまりに大きかったように感じます。経済的な損失はもちろんですが、福島県の住民に多大な迷惑がかかったことは見逃すことができません。

たとえ100年に1度でもこのような原発事故が起き続ければ、日本には住めるところがなくなってしまうのではないでしょうか。そう考えると、いまこの時点で脱原子力に向けて舵を切るのがよいように感じます。


【脱・誰かを犠牲にするエネルギー】

今回の事故をめぐる発言の中で、もっとも胸にささったのは京都大学小出裕章助教授の言葉です。「東京の人が、福島の人の安全を犠牲にして電力を享受する」そうした構図こそが許せない、という趣旨のことをおっしゃっています。

(参考)
4月13日 FMわぃわぃインタビュー 小出裕章

小さな人間である自分には、偉そうなことを言う資格はありません。ですが、この事故をきっかけに「脱・誰かを犠牲にするエネルギー」に向けて一歩が踏み出せたらいいなぁ、と心から思います。