【まとめ】福島第一原発4号機の「最悪のシナリオ」(東京新聞)
注目を集める福島第一原発4号機。
3月25日、内閣府原子力委員・近藤委員長が政府に提出した「最悪のシナリオ」をまとめてみることにしました。
現在のところ、新聞社などが要約情報を報道しています。
福島原発については、東京新聞ががんばっていますので、東京新聞の記事を主体に整理。後半で、毎日新聞などの報道情報を補完しました。
【福島原発最悪のシナリオ】
・作成時期
2011年3月25日に政府に提出された。
・想定
1号機で二回目の水素爆発が起きて放射線量が上昇し、作業員が全面撤退せざるを得なった状況を仮定。
・2、3号機の動向
2、3号機の炉心の温度が上がって格納容器が破損。
・4号機の動向
1号機の水素爆発の2週間後、4号機の使用済み核燃料プールの核燃料が溶け、大量の放射性物質が放出。
・避難範囲
福島原発から半径170キロ圏:強制移住
福島原発から半径250キロ圏:避難
(参考)
・地図(原発250キロ圏と放射能汚染マップ。群馬大・早川教授)
・事故の拡大を防ぐ最終手段
「スラリー」と呼ばれる砂と水を混ぜた泥で炉心を冷却。
・作成の背景
近藤委員長(内閣府原子力委員)は「当時、4号機のプールは耐震性に不安があり、そこにある大量の核燃料が溶けたらどうなるか把握しておきたかった」と話している。
(ソース)
・東京新聞2012年1月12日(福島事故直後に「最悪シナリオ」 半径170キロ強制移住)
(上記が消された場合、記事が転載されている外部ブログ)
・福島事故直後に「最悪シナリオ」 半径170キロ強制移住
【毎日新聞の報道による補完】
毎日新聞の報道によれば、上記以外の情報としては次のようなものがあります。
・最悪のシナリオの分量
A4判約20ページ
・総避難人口
3000万人
・被害の想定
1〜3号機のいずれかでさらに水素爆発が起き原発内の放射線量が上昇。余震も続いて冷却作業ができなくなり、4号機プールの核燃料が全て溶融。
原発から半径170キロ圏内で、土壌中の放射性セシウムが1平方メートルあたり148万ベクレル以上というチェルノブイリ事故の強制移住基準に。東京都のほぼ全域や横浜市まで含めた250キロの範囲で、避難が必要になる、と試算。
・備考
菅直人氏は2011年9月、毎日新聞の取材で、「放射性物質が放出される事態に手をこまねいていれば、(原発から)100キロ、200キロ、300キロの範囲から全部(住民が)出なければならなくなる」とコメント。
・阿修羅:毎日新聞の記事の転載より。
最後に放射性物質の大量放出ですが、期間は1年続く、とされているようです。
(参考)
・47news(【最悪シナリオを封印】 菅政権「なかったことに」 大量放出1年と想定 民間原発事故調が追及)
【関連記事】
・[http://d.hatena.ne.jp/rakkochan/20120106/p1:title=4号機 倒壊・崩壊なら、関東も避難を(福島第一原発)]