【まとめ】准看護師の廃止は決定事項ではない
【准看護師廃止のウワサは本当か】
准看護師が廃止になるかもしれないとのウワサがあります。本当なのでしょうか。事実を確かめてみようと、昨日厚生労働省に電話してみました。
結果、「准看護師の廃止は決定事項ではない」とのことでした。以下、厚労省のスタッフさんに聞いたことなどをもとに、情報を整理しておきたいと思います。
【神奈川県が准看護師養成を停止】
神奈川県は、2013年4月入学生を最後に准看護師養成を停止すると、2012年6月に表明しました。准看護師が廃止になるのではないかというウワサが前からありましたので、「いよいよ本当に廃止になるのか」と思った人も少なくなかったようです。神奈川県側は、単に准看護師養成を停止するということではなく、准看護師養成から看護師養成に切り替えていくのだと説明しています。
(ソース)
・神奈川県のHP:「本県の准看護師養成停止に関する県の考え方」について
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420379/
【ウワサの根源はどこ?】
准看護師が廃止になるのではないかという話で、よく引き合いに出されるのが、「准看護婦問題調査検討会報告」(1996年12月20日)の内容です。これ、有識者による検討会なのだそうですが、この報告書の中に、以下の文言があります。
「本検討会としては、この問題の解決の道として、関係者の努力により現行の准看護婦養成課程の内容を看護婦養成課程の内容に達するまでに改善し、21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努めることを提言」
確かに、文章を読んだ限りでは、将来的に資格がなくなると受け取ることもできます。ですが、検討会の進展はここまで。これからどうなるかが具体的に決まっているわけではありません。
(参考)
・厚労省のHP:准看護婦問題調査検討会報告
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s1220-1.html
【准看護師廃止は決定事項ではないが・・・】
先の神奈川県のHP内の文書「本県の准看護師養成停止に関する県の考え方」でも、次のように述べられています。
准看護師制度の廃止には保健師助産師看護師法を改正する必要があり、本県が准看護師制度を廃止することはできません。県としては、准看護師養成を停止するとともに、准看護師で看護師資格を取得しようとする方への支援を検討していきます。
以上、准看護師制度が今後どうなるかは未定。ですが、有識者の考えとしては、医療が高度化・専門化していく中で、看護業務も高度化しているとの認識があります。また、看護の仕事を志す人の中でも、準看よりは正看をめざしたいという希望の人が増えているようです。
准看護師は、正看護師に比べて給料が低いケースも多々あると聞きます。ですので、時間的・経済的な条件がクリアできるのであれば、看護業務に携わる人は、正看をめざすのがベターなように感じます。